シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解釈。或は、落書き。

柑橘の朝:ダークナイト

※以下ネタバレ注意です。

映画“ダークナイト”の劇中に、人知れず不幸を取り除こうとするシーンが描かれています。それは、その人が想う幸せであり行為を伝える為ではない、反射的でさりげない行動の優しさです。

 

バットマンは闇に活躍する存在。彼は明け方まで熱情を燃やし続けます。敵であるジョーカの好奇心に翻弄されながら、己が大切であると信じた人々を守り、救うために奔走する。

しかし、想い描いた未来は掌で煤と化し、灰として舞い散ってしまう。

 

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その後、床に脱ぎ捨てられたバットマンのマスク、その奥でシングルソファーへ身を沈ませたブルースの後ろ姿が映し出されます。

彼の所へ執事のアルフレッドが朝食を届けます。その食事には手紙が添えられている。その手紙が彼の希望になるとアルフレッドは感じていたのです。

その手紙の奥にあるグラスの中。明け方の室内の闇に窓ガラス越しの蒼い光が射し込み、柑橘色が存在感を増す構図が印象的です。

しかし、ブルースの言葉に反応して、添えられた手紙をそっと取り除くアルフレッドの掌が描かれます。

封筒に秘められた文字は変化する事はありません。でも、その文字は読み手の心情の変化によっては過去を汚し、未来を更に黒く染めてしまいかねない。そう察したから取り除いたのです。

マスクを拾い上げ、ブルースへマスクを手渡すアルフレッドの仕草に真心を感じます。

 

鮮やかな暖色は、強く心に響きます。栄養豊富な果実のオレンジは、食する事よりも目にする事で健康を感じます。そのオレンジを味わいたいと食欲が増進され、行動を促す意識が明確に変化します。オレンジ色の球体は、太陽を連想させるからでしょうか。グラスに注がれた飲物はオレンジジュースではないかと考えます。柿…じゃないだろうな。

グラスに注がれた飲物は、もしかするとンゴーかもしれない、パインとも見えなくない。パパイヤという事もある。でも、マンゴーの甘ったるさやパイン、パパイヤの南国の香りより、やや酸味を感じます。でも、その酸味はグレープフルーツほど強くないでしょう。ほどよい酸味のオレンジを、アルフレットは選択したんじゃないかな。

 

オレンジはビタミンが豊富な果物です。更にクエン酸も豊富に含まれているので疲労回復の効果もあるそうです。消化吸収と口にしやすいサラサラとした飲物としてブルースの活気を呼び覚まそうとする心遣いを感じます。

オレンジジュースをきっかけにシリアルやトーストも口にしてほしい。敗れ果て、俯いたブルースに前を向いてほしい。食べる事で肉体の血行を良くしたい。そして、活気に満ちた肉体の熱気が心に吹き込み、上昇気流を呼び込んでほしい。

そんなアルフレットの優しさが伝わって来るようです。

 

疲れを引きずった朝にはオレンジで元気を取り込みたいね。