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シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

バニラネコ(バニラを好む内なるネコ)

今週のお題「お気に入りのスニーカー」

 

プーマのスニーカーを手にしたキッカケはプーマだった。

スニーカーの側面内側にプリントされたプーマに惹かれた。灰色の生地に、土踏まずから爪先にかけて全身をバネに伸び上がる黒いプーマ。前足を縮め、後ろ足を大きく伸ばし、尻尾でバランスをとる黒いプーマとエメラルド色のラインが印象的でした。一目惚れです。

内側から伸び上がる姿は、自身の内面からの葛藤の解放にも感じられた。

アウトレットのプーマ専門店でスニーカーを手に取ると店員さんが近づいて来て、靴底に収納されたゴムの反動を使って走るのだと教えてもらった。後ろ足で蹴り進む時、スニーカーの頂部はグニャリと縮み、靴底は伸びる。ゴムは靴底と共に伸び、収縮へのストレスが発生する。そして、スニーカーは、爪先の力に加えゴムの収縮力で地面を離れる。

このギミックにも喜々とした気持ちが溢れた。

その他にも有名なアスリートモデルや色違いのスニーカーが並べられていたが、黒いプーマを選んだ。

 

作画している時は、脳や利き腕ばかりが頻繁に活動している。映画を観ているときなど脳だけが活動していて、首から下の筋肉活動は皆無になってしまう。それでもアドレナリンがドバドバと溢れて集中している時は、運動や食事の欲求は感じなくなってしまう。

その後の事です。集中力が切れると筋肉の収縮や食事の欲求を感じてしまう。無性に炭酸飲料で口内をサッパリさせたくなる事もあります。

更に、太陽光を浴びたい気持ちが湧いてきます。天気が良い時はバナナを食べてウォーキングへと出かけます。プーマのスニーカーを履いて、新鮮な空気を取り込みたくなるのです。植物の緑を見て呼吸すると、新鮮な空気を吸い込んでいる気がして気分が晴れます。

 

ウォーキングの時は、重心を腰に置く姿勢と深く長い腹式呼吸に意識を集中させます。そうこうしていると、次第に心拍数が上がり、血流が良くなる。血流と共に酸素が全身に運ばれる。筋肉の活動が活発になり熱が上がる。脳へも血液と酸素が豊富に運ばれる。そして、脳の活性化が始まり、作画や映画での感情が溢れてくる。一歩ごとに蹴り上げる膝の位置は高くなり、肘は後方へと強く引かれる。もう、姿勢は前方に重心が移り、呼吸は浅く短く変化してしまう。更に、情熱と体温の上昇と共に、筋肉の収縮運動も活発になる。

ウォーキングはランニングになってしまう。

感情に身を任せて四肢の限界へと近づく高揚感が心地好い。心地良いから疲労を顧みず走ってしまう。黒いプーマの如く、内なる激情のネコが野に放たれる事があるのです。

 

走り出すと何故か河原を目指し走ってしまう。帰りの体力も考え無しに走り続ける。挙句の果てに、河原で膝を抱えて肩で呼吸をしている。疲労困憊でぼんやりと水の流れを眺め、その音を無防備に聞いている。川は、前日の天気に左右されて表情が変化する。オスティナートと呼ばれる水の執拗反復音が心地好い。

その時は色彩の感じ方も鋭くなる。青空や緑の鮮やかさは心を虜にする。いつまでも眺めて居たい気持ちで一杯になる。時に、遠方を走る赤い車が鮮烈に感じて目で追っている。

でも、ハッキリとした意識は無い。単純に、五感からの情報を諾々と受け入れている。

恐らく、意識の集中できないこの時に、意識下で直前の感情は整理整頓されているのだと思う。そう思う事でそうなっているのかもしれない。

どちらにせよ、深い呼吸と汗だくの身体で帰宅すると、頭の中は随分とスッキリしている。そして、帰宅後のバニラアイスが最高なのです。もしかするとバニラアイスの為に走っているのかもしれない。

 

そんな衝動活動を支えてくれたプーマのスニーカーは随分とくたびれてしまった。かかとを固定するクション材は、内包する生地が破れて飛び出し、千切れてしまった。靴底もだいぶ磨り減った。靴底を眺めると、どの部分で走っているかが解る。随分と足裏の外側を使っているようだ、親指の付根で踏ん張る様に走りたいと思った。

仕方がないので、新しいナイキのスニーカーをセールで購入した。鮮やかな青と白のモデルが気に入ったのだが、灰色と青緑の配色しか足のサイズに合わなかった。プーマを連想する配色だった。これも何かの縁なのだろう。

けれど、プーマが捨てられない。側面内側のプーマをチラリと眺めるのが好きなのだ。

いつか何かのキッカケで捨てるのだろうが、しばらくはまだそのままにしておこう。

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ランニングになってしまってから帰宅して、入浴後のアイスがたまらない贅沢です。今は“Sof'”のバニラにドップリとハマっております。濃厚なクリーム感とサッパリした甘味が最高なのです。

我が家の冷凍庫には常にバニラアイスの在庫を確保してあるので、衝動的な疲労困憊にも対応できます。しかし、予告無く遊びに来る幼稚園児の姪っ子が悪さを働きます。2人は、アイスを黙って掻っ攫う事が時折あるのです。試し行動の泥棒猫襲来なのです。必ずあの冷蔵庫にバニラアイスが在る事を学習してしまったようです。一言欲しいと声をかけてくれればあげるのに、隙を伺いながら掻っ攫うスルリに興奮を覚え、そのスルリに存在理由を見出してしまった様なのです。掻っ攫う事を叱られる事で、他人との存在を確認させる始末なのです。まったく、末恐ろしい姪っ子たちです。

 

バニラアイスの在庫が切れた事に気付かず衝動的にウォーキングに出てしまうと最悪です。

帰宅して残念な気持ちで一杯になります。やはり、アイス目当てで疲労困憊になっている様です。

嗚呼、Sofが食べたい。