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シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

アート

これからも続く物語。その途中で振り向いて、:ベルギー奇想の系譜展

木漏れ陽を浴びて緩やかなスロープと階段を上ると、大谷石で装飾された美術館が見える。中庭に在る大きな赤いチューブが印象的なその建物は、宇都宮美術館です。 5月7日まで開催されている“ベルギー奇想の系譜展”に行ってきました。 奇想と形容されている作…

暗室での魔法:ミッドナイト・イン・パリ

今週のお題「恋バナ」 ※以下ネタバレ注意です。 ♪パァ~ラパラパァ~~…。っと、トランペットの音色を背景にパリの景色が次々と映し出される。木々の中に佇む石造りの建物。その街並みを行き交う人々。落ち着いた夜景、そして雨でしっとりと輝いた街角。ファ…

道程の道標への事:ザ・ウォーク

※以下ネタバレ注意です。 なぜ絵を描くのか。なぜ歌を歌うのか。 なぜそんな絵を見せるのか。なぜこんな歌を聞かせるのか。 芸術表現とは理解されなければ狂気の沙汰です。 たとえ理解されなくても描きたいから描き、歌いたいから歌う。その衝動は直感的で、…

タイムライン上の好奇心:ポンピドゥー・センター傑作展

人は昔から絵を描き、表現して何かを伝えようとしてきました。 ラスコー洞窟の壁画が現存している事から、絵画に対する興味は太古から続いています。そして、絵画の技術は年々進歩し、写実的に表現されて現在でも人々の感性を刺激しています。 しかし、近現…

蔓と果実のシルエット

今週のお題「植物大好き」 アサガオのツルが好きだ。ツルは日光を集める為に伸び、葉を広げ、花を咲かせ、種子を実らせる。その伸び行く軌道は、趣きのある曲線の美を秘めている。 学年は忘れてしまったが、小学校低学年の理科の授業にアサガオの観察があっ…

心臓の陽だまり:栃木県那須高原【藤城清治美術館】

初夏の事である。山道の運転で日光浴をしながら、栃木県北部、那須高原の美術館に出かけた。藤城清治美術館である。 車から降り、長時間運転して縮こまった体を伸ばす。日光浴した顔に風が流れこみ、汗を乾かす。涼しさから、ここが高原である事を確認する。…

その花の季節の不安:利休にたずねよ

以下ネタバレ注意です。 美意識に触れ合う喜びを思い出した映画だった。 映画・“利休にたずねよ”は春の嵐から始まり回想へ至る。 春に嵐はつきもの 雨の日。利休が切腹するその日、三千の兵が一人の茶人の邸宅を包囲していた。 利休とその妻である宗恩は縁側…

レッド・セルフポートレート・ペインティング:鴨居玲展 踊り候え

鴨居玲の自画像は怖くて向かい合えない。 前回、暖冬から秋の風景を思い出し、佐伯祐三の自画像を思い出した。 そして、今回は自画像から鴨居玲の絵画を思い出した。 2015年の初夏、「北陸新幹線開業記念・没後30年 鴨居玲展 踊り候え」が東京スーテションギ…

ドングリスロープ:佐伯祐三とパリポスターのある街角

佐伯祐三の自画像が観たい。2014年秋の平日の午前中、私は栃木県の宇都宮美術館に来ていた。佐伯祐三とパリポスターのある街角の企画展へ向かうためである。 里山の中にある美術館へは、駐車場からなだらかなスロープのアプローチを昇る。右手側に芝生の広場…

閉じた世界での喜び:銀座ハゲ天への憧れ

「行ってみたいお店・レストラン」by みんなのごはん r.gnavi.co.jp 薄い衣に透ける朱色が艶っぽい海老天。 衣をまとわない上気した紅緋色の尻尾。 鮮やかな赤が角膜を伝い、食欲を刺激する。胃の腑が震える。 旬を贅沢するとしたら、天ぷらだ。 天ぷらとは…

羅漢と骨格

今週のお題「今年見に行ってよかったもの」 そうだ。ここは、東京だったんだ。そう思う出来事があった。 今年の秋に六本木の森美術館へ行ってきた。村上隆の五百羅漢図を観る為だ。 日常にインターネットが組み込まれ、画像情報であればいくらでも検索できる…

無彩色の午後:インターメディアテクにて。

今回は、前回よりの続きであり、インターメディアテクに行ってきた感想です。 kimerateiru.hatenablog.com 疲れているから。 六本木より東京へと移動して空腹を満たそうとKITTEへ向かい歩いている。KITTEへの目的は、2、3Fのインターメディアテク…

極彩色の正午前:五百羅漢図展、森美術館にて。

森美術館で村上隆の五百羅漢図展が2015年10/31~2016年3/6まで開催されています。早速、11月上旬に行って参りました。 迷いの窓、悟りの窓。 室内に足を運ぶと、6枚の絵が横に並べて展示してある。 それぞれ、四角空間に一つの円が描かれた絵である。円相図…