シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解釈。或は、落書き。

社会

迎春の珠ちゃん:二重生活

※以下ネタバレ注意です。 冷たい空気、曇天の朝。白石珠はタバコの煙を吸い込んで放心し、階下の親子を眺めている。彼と同棲するアパートのベランダから向かいの家を見下ろした時、駐車場に幸せそうな若い両親と幼い娘の光景が在る。 珠は大学院で哲学を学び…

見惚れるダンス:オーバーフェンス

※以下ネタバレ注意です。 お互いに少し壊れていて、その壊れた所から相手の壊れた所へ感情を投げ込んで絆を深めて合う、そんな相性のふたりが描かれている。彼らの関係を見守りたくなっちゃう映画が“オーバーフェンス”です。 白岩義男の日常は、自転車で職業…

青空は続くよ、どこまでも。:ROOM

※以下ネタバレ注意です。 優しさについて考えてしまう映画でした。 映画冒頭は、信頼の絆を感じる2人が描かれています。走り回る少年と、彼に微笑む若い女性。しかし、二人の生活する環境に違和感を覚えます。喜々とした少年を軸に走り回る部屋が映し出され…

道程の道標への事:ザ・ウォーク

※以下ネタバレ注意です。 なぜ絵を描くのか。なぜ歌を歌うのか。 なぜそんな絵を見せるのか。なぜこんな歌を聞かせるのか。 芸術表現とは理解されなければ狂気の沙汰です。 たとえ理解されなくても描きたいから描き、歌いたいから歌う。その衝動は直感的で、…

値踏みできない友情の価値:悪魔の手毬唄(1977)

来たる19日に新しい金田一シリーズの“獄門島”が放送予定であり楽しみです。 映像化された金田一シリーズは幾つも在ります。しかし、市川崑監督作品での石坂浩二さんの金田一像しか知らないのですが語らせて下さい。 今回の金田一耕助は長谷川博己さんが演じ…

先生も揚げパンが大好きです。:きみはいい子

今週のお題「映画の夏」 ※以下ネタバレ注意です。 みなさんは映画のエンドクレジットを最後まで見ますか?私はエンドクレジット中に、色々な感想や終劇後の展開を想像します。だから、エンドクレジットの選曲にはセンスを感じます。 “映画・きみはいい子”は…

無理矢理に剥かないで:6才のボクが大人になるまで

映画・“6才のボクが大人になるまで”で描かれている家族に釘付けになってしまった。 鑑賞しはじめて少し戸惑ってしまう。ストンと時間が飛んで、新しい展開が始まっては終わるからだ。新しい展開についての回想はない。淡々と、ぶつ切りにされた日常が時間列…

たのしいことば:小説・円卓

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE ※以下、ネタバレ注意です。 リズムの楽しい言葉がある。言葉の印象は物事を連想させる。そんな言葉の魅力に取りつかれた小学三年生、渦原琴子。通称こっこが幼馴染のめがね男子、ぽっさん、と過ごす夏休みの成長が…

白鳥が飛び立つ刻:小説・リップヴァンウィンクルの花嫁

小説・リップヴァンウィンクルの花嫁を読んだ。 読み終えたら、疲れに気付いてボンヤリしてしまった。感情の揺れに心がバランスを取ろうとしているんだろう。しばらくしたら色々と考えが巡り出した。 それでも体はグッタリしている。疲れを感じさせないほど…

めがねとじゃぽにか:円卓 こっこ、ひと夏のイマジン

以下ネタバレ注意です。 映画“円卓 こっこ、ひと夏のイマジン”は未知に対する喜びと戸惑いにあふれている。 初めて知る言葉のリズムに好奇心をくすぐられ、希望が広がっていく。世界に知らない事があるというだけで幸せを感じる。 しかし、その喜びは都合の…

青いリンゴの幸福感:紙の月

こんにちは。 今回は映画〝紙の月〟のあらすじと感想を独断と偏見で、イラストと共に語りたいと思います。 では、ここから作品のネタバレ注意です。 与える喜び 讃美歌の流れる校舎の夕方。少女は机にお札を広げている。その机の傍らには、少年が笑う写真。…