シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

包帯男は雌伏の時。:るろうに剣心-伝説の最期編

こんにちは。

 今回は映画るろうに剣心-伝説の最期編のあらすじと感想を独断と偏見でイラストと共に語りたいと思います。るろけん-伝説の最期編その2です。

 

 では、ここから作品のネタバレ注意です。

 

変わらないモノ

 雷鳴と雨音、山中の金属音。剣心は師匠に対して刀の力量をぶつけるが、全てが受け止められ倒される。そして立ち上がり攻撃をぶつける。その繰り返しであり、金属音が山中に響く。

 ついに剣心は立ち上がれなくなる。その剣心に対し師匠は無力さと勝手さを語る。

「薫殿…」「お前は墓を作る事しかできない子供のままだ。」

 その挑発に剣心は立ち上がり怒り叫び、師匠に刀を打ち込むが受け止められ倒される。またその繰り返し。

 剣心は石垣に追い詰められ鍔競り合う。逆刃刀の刃が自身に向かう。雨は強さを増す。刀を押し返し攻撃に転じるが受け止められ倒される。

 師匠は追憶の中に居る。山中、幼き剣心との剣術修行。何度となく倒され、立ち上がる剣心の目付き、叫び声。──打たれても、倒されてもな。

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 再度、挑発する師匠。そして、剣心は立ち上がり叫び声を上げ立ち向かう。

 刀を受け止めながら、剣心の変わらない想いと欠けた想いを探ろうとしている師匠の眼差しが渋い。それに対する剣心は、強さを手に入れ様とする必死さが伝わってくる。

 死を司る道具と術。それを学び、手にする者の覚悟と心構えが強くなければ、人の欲や衝動に飲み込まれ、他人と最期には自身を呪う事になってしまう事への戒めを感じる。

 一方、葵屋では翁が意識を取り戻し、看病する操に剣心の向かう先を伝える。

 

酒の肴

 虫の音が聞こえる夜。剣心は師匠の古寺の前で剣を降り、心を整えている。古寺に入ると師匠からの酒を交わす。陶芸を始めた事、酒の味を語り合い、師匠は剣心に過去を問う。

「酒を嗜む様になったのは、この傷を付けられて頃の事。何を飲んでも血の味しかしなかった。…俺はもう人は斬りません。」

「その誓がその可笑しな刀になった訳か。…斬らずに勝てる相手なのか?」

「今のままでは志々雄はおろか、志々雄の手下にさえ勝てない。…命を捨ててでも…。」

 その言葉に師匠は反応して火箸を剣心の喉に突き付け問う。

「ならば死ぬか?今ここで。」

そして、自身に欠けているモノを証明しなければ命を落とすと問い詰める。

窯の火を見つめ自問する剣心。刀を振り下ろし、覚悟を確認している様に見える師匠。

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先ほどまで必死に何かを探り合った二人の間にある一時の安息が印象的です。抱えるモノの違いが想いの違いに直結している様に思える。

 

見付けた

 翌日の竹林を剣心が行く。師匠の許へ、問答の答えを伝える為に行く。しかし、答えはまだ見出せてはいない。その事を伝えると師匠は刀を渡す。

「それがお前の限界か…己に欠けているモノが見出せんままでは敵に勝つ事などできん。」

 刀の刃を見つめる剣心。

「もし仮に勝つ事ができたとしても、お前のその心の中に住み着いた人斬りには打ち勝つ事などできん。」

 刀を手に目を閉じる剣心

「お前は生涯苦しみ、悩み、孤独に苛まれ、また人を斬る事になる。」

 師匠の気配に反応して剣心は目を開く。

「ならば人斬り抜刀斎という化物に、引導をくれてやるのが、師匠としての最期の務め。」

 師匠は抜刀し剣心に刀を振り下ろす。かわす剣心へ幾度となく容赦なく刀を打ち込む。剣心より大柄の師匠の一撃は風切り音から重く感じる。昨日まで棒を振り回す師匠の攻撃とは比べ物にならない程の気迫に剣心は震える。剣心は攻撃を受け止めきれずに刀を弾いてしまい、次の一撃に対して両手で師匠の持ち手を受け止める。蹴り倒される剣心に師匠は刀を刺し下ろし、斬り下ろす。必死で剣心は逆刃刀を抜刀して受け止める。そして、逆刃刀の刃は剣心に向かって、ゆっくりと沈み込む。師匠は攻撃を止め。剣心は立ち上がる。

「命を捨てても…」剣心の言葉に師匠は反応する。

剣心は先手を取り斬り込むが受け流され、背中を斬られる。それでも剣心は怯まずきりこむ。─── 死ねない。俺はまだ死ぬ訳にはいかない。その一撃に見出す。

「生きようとする、意志…」

 一面に群生する竹に命の連なりを感じる。地上では孤立した一本の竹であっても土中では根はつながり絡み合っている。その竹林で命の重さを問答する二人に深読みしてしまう。

 

包み込む風

 風鈴の音。風を受けカーテンが膨らむ病室に薫を看病する弥彦が居る。薫は今もまだ意識を取り戻さず、唇の色は薄い。弥彦は洗面器の水を変える為に井戸へ向かう。佐之助の軽薄さに苛立ちを見せ、佐之助は薫を見舞いに病室へ向かう。 そこに薫の姿は無い。佐之助は動揺し、弥彦と薫を探す。

 潮騒と潮風を受け、薫は浜へ向かう。風はやや強めに薫の髪を舞い上がらせ、その身を包み込む。海を眺めながら薫は剣心との最期を追憶する。───必ず、必ず生きて。

 薫を見付け、怒りの発言と裏腹に安堵の表情の弥彦と佐之助が体調を気に掛ける。

「行くわよ。」三人は東京への帰還に向かう。

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 剣心に対する薫の想いが伝わる。薫の求める想いが、かつて人斬りであった剣心の心を安定させるのであると思う。薫の包容力は周囲の人間を活気つかせるのだと感じる。

 

最後までお付き合いありがとうございます。よろしければ次回もお付き合いください。