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シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

包帯男は見据える。:るろうに剣心-伝説の最期編

るろけん伝説の最期

こんにちは。

 今回は映画るろうに剣心-伝説の最期編のあらすじと感想を独断と偏見でイラストと共に語りたいと思います。るろけん-伝説の最期編その3です。

 

 では、ここから作品のネタバレ注意です。

 

にやにやが止まらない。

 志々雄に対して警察は大砲の準備をしている。その場所から鉄の蒸気船が望める。迎え撃つには恰好の場所である。

 鉄船の中で志々雄はロウソクの火に眼差しを向けている。

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「行くのか?」

 窯焼きの準備をしている師匠は剣心を見付ける。志々雄に対して焦りを見せる剣心に対して、師匠は奥義を会得した自惚れ、時代の重さを語る。

「お前ひとりが全てを背負って守りきれる程、明治って時代は軽くはないぞ。」

「緋村~。」

 そこに操が走って現れる。剣心を心配している、師匠に一礼する。

 そして、京都大火後を伝える。薫の無事を知り、剣心の表情に和みが滲む。続けて、志々雄の事。新政府の事。緋村の手配書の事を伝える。しかし、操の必死さとは裏腹に、剣心は顔をうつむかせるが口元の和みは消えない。

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 剣心は悟ったのだと思う。薫の命越しに生き、活きる事。だから、自身に降りかかる火の粉に恐れは抱かない。活きる事を望む薫が生きているから。求められる事の喜び。

「早く行け。」「約束しろ剣心。お前のその命、決して無駄にはしないと。」

「はい。」師匠に礼を伝え剣心は操と葵屋へ向かう。

 師匠の表情に憂いが滲む。───死ぬなよ。

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 奥義を会得する事無く、修行の途中で飛び出した弟子を再び受け入れる師匠の器の大きさを感じる。幕末に伝え聞く弟子の違和感に止めに行く訳でなく見守った。そして、縁あって弟子と再会し、共に欠けたモノを探し道標を示す。先を行く者に追い付く事は難儀であると感じる。追い付いたと思うと、すでに遠くに存在を感じてしまう事の繰り返しだから。

 

悲願の行く末を見守る者達。

 剣心は葵屋で東へ向かう抜け道を知る。翁に別れを伝えようとするが寝床には居ない。心配する操は真実を知り、剣心と共に翁を追う。

 京都から東へ向かう為に必ず通る場所。そこで翁は蒼紫を見付ける。蒼紫は剣心を待ち伏せしている。その道と交差する橋で二人は対峙する。

「その体で何ができる?」

 傷だらけで立っているのもやっとの翁に対して、蒼紫は見下す。

「お前は過去に囚われておる。その鎖を叩き斬ってやる。」

 そう言って翁は刀を蒼紫に向け弱々しく突進する。あっけなく蒼紫に刀を蹴り落とされる。しかし、翁は蒼紫の体にしがみ付き何かを伝えようとするが力無く地面へ倒れ込む。

「爺や!」

 操達が現れる。操は翁に向かい、蒼紫は橋の上から頬に十字傷の男を見付ける。

「その十字傷。お前が緋村抜刀斎だな。」

 口元を緩ませ抜刀し、橋から飛び降り初対面の男へ対峙する。

「この時を俺は十年待った。」

 蒼紫は幕末に抜刀斎と対峙する事なく新時代を迎えてしまった。

 剣心を追い東京をさまよう。京都へ向かった剣心とすれ違い佐之助に鬱憤をぶつける。次に剣心を追い京都でさまよう。京都大火の混乱でまたも剣心とすれ違い、翁へ鬱憤をぶつけ操に修羅を見られてしまう。またも鬱憤は蓄積される。しかし、修羅に落ち剣心を倒した先に何を見付けようとしているのだろうか。操と翁たちの憂いは届かない。

 積年の想いは憎しみから喜びへと変貌をとげる。自分語りし、二刀流で剣心へ斬り込む。

 剣心は抜刀する事なく蒼紫の攻撃を避け、鞘で受ける。

 

口で言っても分からないなら。

「抜け!抜刀斎!」

 絶え間ない蒼紫の攻撃に追い詰められ剣心はついに抜刀する。刀を蒼紫に向け間合いをとる。

「そうだ。これで存分に戦える。」

 蒼紫の表情に喜びが浮かび上がる。橋の上から翁は緋村に懇願する。

「緋村君!蒼紫を殺してくれ。…操の為にじゃ。そして、蒼紫自身の為。」

 戸惑う操。蒼紫はさらに歓喜に満ちる。

「そうだ殺せ。俺を殺してみろ。」

「死なせてやってくれ。終わらせてやってくれ。」

 翁の想いを受け止め、剣心は刀を下ろし。操との事を蒼紫に問う。

「ふっ。お前を倒して最強という名を手にするなら、俺は修羅にでも何にでもなる。」

 再び斬りかかる蒼紫。応戦する剣心。絶え間ない斬り合いの末に剣心は胴へ打ち込み、背中へ回り込み斬りつける。しかし、蒼紫は二刀を背中で交差して刀を受ける。

 一呼吸置く二人。束の間に斬り合いは始まる。蒼紫の二刀流は早い。一刀で受け一刀で斬り込む。時として刀を飛び道具と使い、一刀で斬り込む。一刀の反復で斬り合っていると二刀目で不意を突かれる。蒼紫の飛び蹴りに片膝を付いた剣心に刀を振り下ろそうとする。その時、蒼紫の背中にクナイが刺さる。感情をたぎらせる操が投げ込んだ一撃である。

「お前はもう…わたしらの御頭じゃない!」

 操は蒼紫に斬り込むが弾かれ倒れ込む。蒼紫は操の腹を蹴り飛ばす。容赦ない仕打ち。

「操殿!」剣心は立ち上がる。操は悶えうずくまる。女性の腹部を蹴る下種男。

 そして、また斬り合いは始まる。斬り合いの末、剣心は飛び込んで刀を振り下ろす。今度は蒼紫が倒れ込む。片膝を付き、剣心を睨む蒼紫。見守る操と翁。

「蒼紫。お主が過去にどれだけの傷を負い。どれだけの想いを背負って生きてきたのか。拙者にはわからぬ。だが、目の前にあるモノから目を背け、大切なモノを欠いたお主の刀では…拙者は倒せんよ。」

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 同じ刀を振る者として、剣心なりに悟った事を伝えたいのだと思う。蒼紫を想う人々の暖かさを知ったから、剣心はまた刀を構えるのだと思う。

 

修羅を囲む悲しみ

 剣心はゆっくりと逆刃刀を構える。舞い上がる枯葉。それでも蒼紫は立ち上がる。

 叫び斬りかかる蒼紫に対し、剣心は怒涛の連撃を繰り出す。刀撃の全てを喰らいながら後ろへたじろぐ蒼紫。

 見守る翁は身を乗り出す。

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「蒼紫様!」涙目の操は悲鳴に似た声を上げる。

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 最後の突きを受け止めても倒れない蒼紫は吐血しながら剣心を捕える。

「この戦いを終わらせなければ、俺は前へ進めぬ。」

 そう言って蒼紫は刀を剣心に向け弱々しく突進し、剣心の横をすり抜け、前のめりに倒れ込む。それは翁の熱意に重なって見える。

「お主が大切なモノを取り戻した時、それでもまだ最強の称号を欲しいと言うのなら、拙者はいつでも相手になるでゴザルよ。」

 剣心は蒼紫に語り微笑む。蒼紫の悔しさは高まり、叫びを上げる。木にもたれ泣き崩れる操は翁を介護する者の叫びに反応して駆け寄る。「爺や!」翁は意識を失っている。

 心配する剣心に操は翁を抱きかかえ叫ぶ。

「緋村行って。早よう!行けぇぇぇ!!!」

 そして、剣心は一礼し、鳥居を背に東京へ向かう。

 

 ───修羅が蠢く現世こそ、地獄に相応しいと思わねぇか。志々雄は語る。

 操の前で蒼紫と翁が傷付き倒れる。修羅に落ちた者の周囲には悲しみが満ちる。

 操は最後まで戦おうとした蒼紫に熱意を感じたのだと思う。その頑さの熱意が蒼紫を修羅に落とし入れる幕末の地獄も感じたのだと思う。

 操から見れば、蒼紫の修羅越しに幕末の地獄を呪い、地獄を望む志々雄を憎む。そして志々雄討伐を剣心に託し、叫ぶのだと思う。でも、その熱意に惹かれ、蒼紫を見放せずに涙する操が印象的でした。

 

最後までお付き合いありがとうございます。よろしければ次回もお付き合いください。