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シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

包帯男は期待する。:るろうに剣心-伝説の最期編

こんにちは。

 今回は映画るろうに剣心-伝説の最期編のあらすじと感想を独断と偏見でイラストと共に語りたいと思います。るろけん-伝説の最期編その4です。

 

 では、ここから作品のネタバレ注意です。

 

厳しさは受け入れられて。

 畳の上に正座する操の背に夕日が差し込んでいる。その部屋には手当てされ、寝かされた蒼紫と看病する操がいる。腕の包帯に気付き、操を見つめる。二人は目が合う。

「翁の敵を取りたいなら、遠慮無く殺れ。哀れみなど、要らん!」

 蒼紫は上半身をおこし、目を伏せて言葉を吐く。沈黙が部屋の黄昏を引き立てる。

「貴方には…生きてもらうわ。」

 意外な言葉に蒼紫は操を見る。操は真直ぐに蒼紫を見据える。

「爺やの分も、…ほかの御庭番衆の分も。」

 蒼紫は操の視線に耐えきれず、再び目を伏せる。操は看病の水を取り換える為に部屋を出ようとする。しっかりと蒼紫の背中に視線を落とし、部屋を出る。所作と息遣いの音が空間に存在する。夕日を正面に浴びる蒼紫の息は言葉に成らない。

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 操はまだ蒼紫を見捨てていない。むしろ、希望を感じている様に見える。

 操は京都へ向かう道中に志々雄の支配した村で幕末の片鱗を感じ、剣心の人柄を知った。京都大火の時に、薫の為に刀を振る剣心の優しさを知った。同じ幕末を刀に生きた者越しに何かしらの希望を感じたのだと思う。

 そして、剣心との決戦に感じた蒼紫の熱意を見捨てられなかったのだと思う。ただ熱意の方向が歪んでしまったのだと受け入れたのだと思う。だから、敵と認識しても想いが溢れ、泣き崩れてしまった。蒼紫から何かを取り戻したいのだと思う。己に厳しい男と全てを受け入れる女の関係である。でも…蒼紫に向けられた期待は更に大きくなったと思うな。

 

活きて生きる事。

 神谷道場に剣心は帰る。恵と再会。

「志々雄は拙者がこの手で止めねばならぬ。」

「解った。…でもね、いい。這ってでも戻ってくるのよ。私は医者よ、死んじゃったらどうにも出来ないけど、生きてさえいてくれれば絶対に治してあげるから。他人を生かす前に、自分を生かす事を考えて。」

「師匠と同じ事を…。」「ん?」

 そして、恵に奨められて薫の父の着物に着替える。

「これを着て行きなさい。」

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 剣心は道場で追憶にまぶたを閉じる。薫の言葉。───人を活かす刀。

 その後、剣心は取り押さえられ警察に連行される。

 

それぞれのやり方

「15分か。十分すぎるな。」志々雄は笑う。

方治から戦闘限界時間を聞かされる。心配する由美。

 

 警察では伊藤と斎藤が待っている。

「伊藤さん。拙者が黙って殺されると思うか?志々雄に近づきさえすれば、勝機はある。」

「なるほど、面白い。やれるものならやってみろ。餞別代わりだ。伝説に相応しい花道を用意してやる。」

 剣心は馬上で晒され処刑場に向かう。そこに駆けつける薫、佐之助と弥彦。

 処刑場に志々雄は居ない、方治が代わりを務める。警察が剣心の罪状を読み上げるが途中で言葉に詰まる。呆れて方治が読み上げ、暗殺された者の名が読み上げられる。群衆の中で薫もそれを聞いている。薫の声は罵声に掻き消され、剣心に届かない。

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 その暗殺された中の者の名に剣心は反応して追憶する。夜散る桜。一文字の傷。雨の朝。手放され落下する和傘と泣き崩れる女の背中。───俺はもう二度と人は斬らない。

 処刑は警察の茶番劇であり、警察と志々雄軍の戦乱に変わる。鉄船へ逃げる方治。剣心と佐之助は合流して志々雄の鉄船へと向かう。

 そして、佐之助は安慈と対峙し、剣心は宗次朗と再び対峙する。

「お久しぶりです、緋村さん。」

 宗次朗は剣心の変化した強さに気付き、次第に刀撃の調子が狂い始める。波で軋む音。

「強さだけでは生きてはいけぬ。」剣心は宗次朗の変化に気付き言葉を伝える。

「イライラするな~。」

 宗次朗の内面を支えるモノが崩壊し始める。強ければ生きる事ができ、弱ければ死んでしまう。足に、背中に腹に刀撃を喰らいながらも弱肉強食を呟く。

ついに、お互いの刀撃は交差して宗次朗の刀が折れる。折れた刀の刃が高い音を鳴らす。

「ボクが、…僕が間違っていたのか!?」

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「いや。勝負に勝った方が、つまり強い者が正しいと言うのが志々雄の理屈。一度や二度の戦いで真実の答えが出る位なら、誰も生き方を間違ったりせんよ。真実の答えはお主自身が、これからの人生の中で見出すでゴザルよ。」

 宗次朗は生き残ってしまった。負けたのに、弱いのに生きている。人格を支える信念の柱の崩壊に絶叫する。怒りと悲しみのもがきは自身の痛みへ返ってくる。

 剣心は志々雄へ向かい。佐之助は安慈と決着を付ける。

 人は心を安定させる為に信念を持つ。信念を持ち成功すれば、信念はより強固になり他の信念を否定する。ゆえに視野が狭まる。己の信念と矛盾しない為にと。

 人は時として、柔軟に信念を見直す時が来るかもしれない。宗次朗は弱いのに生きている。その信念の矛盾の先に、活きる為の成長がある事を願う。

 

最後までお付き合いありがとうございます。よろしければ次回もお付き合いください。