シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解釈。或は、落書き。

包帯男は彼岸へ向かう。:るろうに剣心-伝説の最期編

こんにちは。

 今回は映画るろうに剣心-伝説の最期編のあらすじと感想を独断と偏見でイラストと共に語りたいと思います。るろけん-伝説の最期編その6です。

 

 では、ここから作品のネタバレ注意です。

 

求める事、求められる事。

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「もう止めて!これ以上はもう無理よ。これ以上、志々雄様を苦しめないで。」

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由美は剣心に願い出る。立ち上がり腕を広げ剣心に対峙する。───お願い!

 ズブリ。

 剣心の身に刀が刺さり、由美の体がもたれて来る。その奥にいる志々雄が笑う。

「油断したな。まだ、戦いは終わっちゃいねぇよ。」

 ザバリ。

 志々雄は由美の体から刀を引き抜き、よろめく体を抱き止める。

「貴様。…そうまでして、愛する人を裏切ってまで。」

 剣心は膝を付く。志々雄は由美を抱え、剣心を見据える。

「裏切り?テメェのモノサシで量るんじゃねぇよ。」

 剣心は俯き吐血する。志々雄は由美を抱きかかえ、剣心に背を向けて一歩一歩階段へ向かう。由美は微笑む。

「嬉しい。初めて…戦いの…役に、たてた。」

「先に、地獄で待ってろ。」

 剣心はようやく立ち上がり、志々雄は階段に由美を寝かせる。

 剣心には解らない。──生きろ。師匠も、恵にも言われた。でも、由美は死を歓喜する。昔の自分に似ている。自己犠牲を望んでいた頃の自分。──命に掛けても。

 しかし、それでは悲しみが蔓延してしまう。剣心が死ねば、悲しむ人がいる。薫が悲しむ。──人を活かす刀。

 だから、剣心は生きる。活かす為に生きる。

 でも、志々雄は笑っていた。抱きかかえ、由美との再会を約束している。解らない。

剣心の表情からそう感じます。

 

終わった事。終わってない事。

「…剣心。」佐之助が呼ぶ。

「もう、よい。コヤツとは拙者が決着を付ける。」

 剣心と志々雄の一騎打ちが始まる。互いに力の限り刀を振る。志々雄が吐血し、剣心が前のめりに倒れる。それでも互いは立ち上がり刀を構え、叫びながら闘志を燃やす。

「志々雄。もう、お前や拙者の様な人斬りの生きる時代は終わったんだ。」

「終わっちゃいねぇな。俺がこの無限刃を手にしている限り。」

「終わったんだ。…拙者がこの逆刃刀を手にした時に。」

 そして、互いが最後まで信念を貫き技と技が交差する。緋村剣心の踏み込む左足と振り上げられる逆刃刀。宙を舞う志々雄真実と二つに折れる無限刀。

 志々雄は吐血して笑う。──時代がお前を選んだだけだ緋村。俺は負けちゃいねえ。

 由美を抱きかかえ階段を上る。──久しぶりに楽しい戦いだったぜ。こんなに楽しいのは幕末以来だ。この先、国盗りが控えているんでなぁ。これ以上遊んでやる暇は…ねえ。

 志々雄は振り向き、剣心に笑う。──地獄で会おうぜ。抜刀斎。

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 笑いながら燃え上がる志々雄。狂気に見入る剣心。燃え上がる喜びに苦しみが混じる。

 志々雄を、いつしか気を取り戻した三人が見入る。幕末が燃えている。幕末に生きた者が最期を見届ける。時代を変えた残り火が燃え上がる。志々雄真実は笑う。

 見入る剣心に一筋の涙。──志々雄真実。…さらばだ。

 

炎のように見える紅葉

 剣心たちは志々雄の討伐を果たし、浜辺へ帰還する。そこにはいくつもの骸が横たわる。

 剣心たちは帰りを待つ者に迎え入れられる。薫が、弥彦が、操が迎えに来る。そして、炎上する志々雄の船を見つめる。狼は一匹、煙草をくわえる。

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 水を差す様に伊藤たち新政府がやってきて、幕末の亡霊と共に抜刀斎は死んだと言う。そして、血まみれで力果てた者の群れの中で侍たちに、剣心たちに敬礼をする。

 時代の転換期に犠牲になる者が多数でる事は過去の歴史が証明している。だからと言って無念に亡くなった者を軽視出来ない。未来を生きる者、今の時代を生きる者として、少しでもその者たちの熱意に敬意を払う事が出来ればと思う。

 最後に剣心は赤く萌えた紅葉を薫に手渡す。その紅葉から志々雄と由美の熱を感じた。

 由美は強者である志々雄を望んだ。もう最期の戦いだと悟った。だから、命を懸けても最後の刹那まで志々雄には強者であってほしかったのだと思う。命を懸ける事は強者に貢献する事だから。

 それを理解していたから志々雄は由美の体越しに刀を刺した。そこまで由美を追い込んだ己の弱さに負い目を感じながら約束したのだと思う。───先に、地獄で待ってろ。

 由美の最期は強者である志々雄を確認して、約束までして幸せであったと思う。

 そして、由美の望み通りに最期まで強者であろうと戦ったのだと思う。だから、身を燃やし高らかに笑った様に感じる。

 由美が強者の志々雄を望む様に、薫は人斬りでない剣心を望んでいる。剣心もそれを感じている。だから、人斬りに戻る事に以前よりも強く葛藤する。剣心は薫に望まれたいのだと思う。

 そして、紅葉を渡して言葉を伝えたのだと思う。えっ?って言われちゃたけどね。そりゃ、剣心は微笑むし風も吹き抜けるよ。

 剣心の想いは京都行を懊悩しながら洗濯した浴衣の青い紅葉から、、赤く萌えた紅葉に変化したように思える。

 

 劇中の剣心に〝生きる意志の強さ〟を悟らせて、最期の戦いで〝死に際の幸せ〟を表現した作品の強さを感じる。

 

最後までお付き合いありがとうございました。