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シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

戦車男達の掟:フューリー

こんにちは。

 今回は映画フューリーのあらすじと感想を独断と偏見でイラストと共に語りたいと思います。フューリーその1です。

 

 では、ここから作品のネタバレ注意です。

 

守ってやれなかった。

 昇る陽を背に、一頭の白い馬がゆっくりと暗い戦場を行く。

 馬はドイツ兵を乗せて歩いている。戦場には幾つもの動かない戦車の群れと、所々に残り火が燃えて煙が上がっている。

 馬が一台の戦車を通り過ぎた時、ドイツ兵は落馬する。戦車に隠れていたアメリカ兵がナイフで襲いかかったのだ。ドイツ兵の叫びと白馬の足音が戦場に響く。ナイフを持った男はフューリーと名付けられた戦車のリーダーであり、ドンと呼ばれている。

 ドンは白馬から手綱を外し、鼻面を撫でて落ち着かせる。そして、戦場から白馬を逃がす。

 戦場の空は朝陽で明るくなり、長い1日が始まる。

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悪魔に守られてる。

 フューリーは単騎で生き残り、基地へ帰還する。

 戦車は5人で1戦力である。1人を先の作戦で失い、新たに補充される新任の副操縦士のノーマンはタイピストである。彼は8週間前に入隊し戦車の中を見たこともない少年兵。

 ノーマンはドンからドイツ兵を殺せと指示されるが、ノーマンはまだ人を殺した事が無いため目に弱々しさを感じる。

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子供だったから。

 ドン達は5輌で1小隊を組み、街の制圧に向かう。

 ノーマンは前方の林にドイツの少年兵を見付けるが銃の引き金を引けない。

 突然、前を走る小隊長の戦車が炎上する。少年兵が被弾させたのだ。ドンはためらう事なく少年兵を射殺する。 

 火ダルマになり、苦しみながら銃で自殺する仲間の兵士。目前の状況に対してノーマンは動く事ができない。どうして良いのか分からない。

「ガキの仕業を見ろ!見ろ!お前のせいだぞ。お前の責任だ!」

 ドンは脅えるノーマンに殺せと叫ぶ。戦車の仲間を失いドンは小隊長になり、別部隊と合流して街へ向かう。

 ノーマンには人殺しの覚悟がまだ身に付いていない。まして、殺意の感じない同じ年頃の兵士など殺せる訳がないのだが、状況は戦争である。馴染む事に戸惑いながらも銃を握る彼の表情に同情してしまう。

 

もう、死んでるのに。

 街への侵入を阻止する敵部隊との戦闘が始まる。突然飛び交う銃弾の閃光と、爆音と共に上がる黒煙。敵の方向に攻撃しながら微速で4輌の戦車は足並みを揃え、歩兵の盾となり先行する。

 ノーマンはとにかく機関銃を発砲するが、弾を切らして目前の敵を攻撃できない。その事で戦車もろとも命の危機に会う。一人のミスが仲間の死に直結する状況で、ノーマンはもたついてしまう。

 塹壕の敵を踏み潰しフューリーは前進する。

 ノーマンは死体に見える敵兵を銃で打てず、叫びながらヘルメットを外す。

「もう、こんな所にいられない!」「もう無理だ。やめる。僕には耐えられない。」

 ドイツの戦車は破壊され、ドイツ兵は射殺される。ドン達は野戦を勝利する。

 戦争の常に心が限界を迎え、ノーマンは祈る。彼の背名を見守るドンの目が印象的です。

 

死体を撃つのは初めてですが努力しています。

「ノーマン、出て来い!」

 アメリカ兵に変装した1人のドイツ兵が生け捕りにされる。1人に対し殺気立つ兵達を止め、ドンはノーマンを呼ぶ。

 ドンは命乞いするドイツ兵をひざまずかせる。そして、ノーマンに拳銃を突き付け、敵の背中を撃てと命令する。

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 ノーマンに人は殺せない。しかも、命乞いする者を背中から射殺する事などできない。ノーマンは間違っていると拒否する。

 ドンは殺すのが任務だと迫る。敵兵はお前を殺すためにいる。俺が殺されても平気か?と問う。ノーマンを引き寄せ、ドンは務めを果たせと語る。

 ノーマンは殺せない。そして、ノーマンは自身を否定する。

「僕を殺して下さい!」

 その言葉にドンは強く反応する。ノーマンもひざまずかせる。その背後から共に拳銃を持たせ、頭を固定し引き金を引けと命令する。

 ドンとノーマンのせめぎ合いの中、ドイツ兵の命乞いは続いている。

「やめろ!やめて下さい。」

「撃て、ノーマン。撃つんだ。」

 戦場に銃声が響く。ドイツ兵の命乞いはもう聞こえない。

 ドンは放心するノーマンの背中を蹴って、仕事しろと吐き捨てその場を去る。

 ドンを除くフューリーの仲間がノーマンを迎い入れ、コーヒーを差し入れる。

 ドンは仲間を守る事に責任を持っている。理由はどうあれ、戦場で生き抜かねばならない状況である。相手を殺す事が自分と仲間を守る条件であれば、ノーマンに覚悟を持ってもらいたいのだ。弱さを嘲笑っているのではない。強さを身に付けてほしいのだ。

 人殺しの意味を教えなければならない厳しさと、人殺しを肯定できない弱さに似た優しさのコントラストが印象的です。

 

最後までお付き合いありがとうございます。よろしければ次回もお付き合いください。