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シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

戦車男達の絆:フューリー

戦争

こんにちは。

 今回は映画フューリーのあらすじと感想を独断と偏見でイラストと共に語りたいと思います。フューリーその2です。

 

kimerateiru.hatenablog.com

 

 

 では、ここから作品のネタバレ注意です。

 

理想は平和だが、歴史は残酷だ。

 街の入り口に死体が晒されている。

 その死体の首から下げた板には〝国のために戦うことを拒否した卑怯者〟と書かれてある。

 晒された死体にノーマンは戸惑いを隠せない。つい先ほどの自身を観ている様だろう。

 市街戦の待ち伏せに対して、室内に白燐弾で砲撃するフューリー。のろのろといぶり出される兵にノーマンは必死に射撃する。ドンはその調子だとノーマンを誉める。

 街を制圧して広場で休息を迎える。降伏した兵士にはノーマンより幼い子が目立つ。

 ドンはノーマンに前夜自殺した人々を見せて語り、生き残る事を説く。

 戦場での掟に自身を変えようと必死のノーマンと、彼の優しさを認めつつ強さを説くドンのやりとりに互いの信頼関係が感じる。しかし、そこが戦場である為にそんな心のふれ合いに不安も感じる。

 

ソロモンの環だ。僕にもあるんだ。

 ドンとノーマンは生き残りの2人の女性を見付け、4人でささやかな一時を過ごす。

もし、ドンを守る悪魔がいるのならば、彼から少しづつ悪魔の居場所は失っているのだと思う。ノーマンの成長をドンが感じる事で、解けてゆく感情の変化が伝わる。

 そして、ノーマンはピアノを弾く事をきっかけに、生き残りの女性エマと恋に落ちる。

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 心の安らぎはつかの間である。新たな作戦の為、広場で補給中に街は敵兵に爆撃される。

 さっきまで心穏やかに過ごした家は破壊され、エマは命を落とす。

 絶叫してエマに駆け寄るノーマンは仲間に押さえつけられ、逆上する。

 今まで戦場で脅え、穏やかだったノーマンが攻撃的になる。彼に大きな変化を感じる。彼の怒りを受け止め戦車に戻し、現実を見せようとするシーンが印象的だ。

「生き返らせる気か?戦車に戻れ!」「これが戦争だ!分かるか?」

 エマは弔われる事なく戦場に晒され、フューリーは次の戦場に進む。

 大隊が到着するまで十字路を守る為にと街を離れる。敵を通さない為にと。

 

ノーマンでかしたな。一人前の兵士だ。偉いぞ。

 フューリーは田舎道を行く。

 ノーマンの視線は定まらず、口元は緩い。フューリーの振動に身をまかせて揺れている。

 ドンはそんなノーマンを見つめ、語る。

「戦争はおわる。じきにな。だが、それまでにまだ大勢が死ぬ。」

 4輌の戦車は田舎道を行く。

 突然1輌の戦車が被弾して炎上する。突如として戦闘状態になり、小隊全員に緊張が走る。3輌の戦車は隊列を整え、敵を確認する。1輌の戦車、ドイツ軍戦車ティガーである。

 戦い、倒さねばこの先に進めない。逃げる選択肢はない。3輌は両方向から攻撃しようと左右に別れ前進する。

 ティガーの装甲は固い。フューリー達の砲撃を跳ね返す。

 ティガーの攻撃で1輌が戦闘不能になる。ティガーの一撃はフューリー達の装甲に穴を空けるほどに圧倒的な戦力差である。それでもドンは怯まず前進して距離を詰める。

 又しても仲間が被弾して戦闘不能に陥る。残るはフューリー1輌だけである。

 フューリーは装甲の薄いティガーの後方を狙う。後退して後を取らせないティガーに対してフューリーは速度を上げ旋回する。フューリーは側面に被弾するも速度を緩める事なくティガーの後方を狙う。ティガーの砲塔が不気味にフューリーに向けて旋回し、発砲する。ティガーの攻撃はフューリーの前方をかすめる。圧倒される事なくフューリーも反撃に出る。しかし、フューリーの速度を上げた動きに射撃がブレる。敵との距離はどんどん縮まり、戦車同士の接近戦になる。お互い次の攻撃のミスが命取りになる。

 ドンはティガーの動きに敏感に反応し、合図する。下がれ、左!狙え!今だ!

 ティガーに被弾。続けて2発目も被弾する。炎上するティガーからドイツ兵が逃走する。

 ドンとノーマンはドイツ兵を狙い射撃する。ノーマンの意志は明確に殺意を示す。

 ノーマンの殺意は怒りである。恋の感情が反動となり、爆発的に高まった怒りは全ドイツ兵に向かっている様に感じる。

 ドン達は強敵の撃破に互いを誉めあい高揚する。緊張が解れる。

 しかし、戦いは続く。この戦闘で通信機は壊れ、フューリー単独で十字路へ向かう事になる。

 

これは俺の家だ。

 フューリーは十字路へ辿り着き、全周を防御できる丘へ向かう。

 十字路の真ん中に差し掛かった時、フューリーの足元で爆発が起きる。

 無残にもキャタピラは外れ、走行不能になる。地雷を踏んでしまったのだ。

 フューリーの修理中、ノーマンは十字路へ向かうドイツ兵の大軍を確認する。

 仲間は暗くなるから森へ逃げようと提案する。しかし、ドンは戦うと覚悟を決める。

 ノーマンもドンと共に覚悟決め、次々に仲間も覚悟をきめてフューリーに集まる。

 そして、日暮れに向かい長い戦いが始まる。

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 戦車の重量感や火力の表現には強さに憧れる感情を抱いてしまう。しかし、本質は殺人兵器である。それが自身に向けられたらと思うと戦慄が走る。

 戦争は不条理な死の連続だ。その死に囲まれて生まれ育まれる掟と絆は、生き抜く為に厳しく人間味を感じる。ノーマンを媒介にして戦場を知り、ドンから戦場で生きる事を学び、感情を揺さ振られる。

 改めて、戦場とは人々の未来を奪い去る恐ろしい場所なのだと実感させられる映画でした。

 

 最後までお付き合いありがとうございます。