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シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

あらっ!入っちゃうんじゃないの?:人生スイッチ

コメディー

 

※以下ネタバレ注意です。

 

“映画・人生スイッチ”のオープニングクレジットに引き込まれました。

この映画は6話のショートストーリーで構成されています。 1つ目のストーリーが終わり、オープニングクレジットが始まります。それは音楽と共にたくさんの動物達が音楽と共に映し出される。動物達はそれぞれに表情があり、何かを見つめていて不思議な雰囲気が漂います。

 

6話の全てに人々の激しい感情が描かれています。タイトルをヒントに劇中の人々に、いつ人生スイッチが入ってしまったかと鑑賞すると面白さが増します。

人々が日常の中で激情のスイッチが入り、事情が七転八倒して複雑さを増しながら結末を迎えます。人々の激しい感情は時に不幸が重なり狂気を増していきます。

描かれた不幸に同情した気持ちが笑いへと変化したりと、喜劇は悲劇と紙一重と感じます。4話目の駐車禁止で車をレッカー移動されてしまう主人公に同情しました。更に娘の誕生日会に遅刻してしまう。挙句に果てに離婚です。レッカー移動をきっかけに悲惨な結末です。

その後もレッカー移動が度重なると主人公の虚しさに悲しみながらも可笑しさがこみ上げてきます。実に切ないはずなのに笑ってしまう。音楽の効果も重なり共感から離れると激情は笑えてしまう。至る所に激情からの笑いが散りばめられた映画です。

 

最高に面白いと思ったストーリーは6話目です。

結婚披露宴の最高潮から始まります。その場に新郎の浮気相手も出席しています。そして、新婦にその事が知れてしまう。もう、劇中の人々にスイッチが入りまくって、披露宴は修羅場へと変化していきます。てんやわんやの事態です。新郎新婦たちが感情を吐き出し合い、ぶち撒け合います。幸せで華やかな場所での激情、緩和と緊張からの可笑しさが止まりません。特にね、激情のブーケトスが最高に笑える。新婦が全力でブーケトスしちゃうシーンにはなかなか出会えないよ。なかなかの背筋力でした。

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その後、激しい感情も疲労から落ち着きをみせます。そして、ゆっくりと身を寄せ合う新郎新婦にスイッチが入ってしまいます。事態に敏感な人々はソソクサと会場から姿を消していきます。披露宴会場は、ふたりだけの居場所になってしまう。やっぱりね、野生とか本能と表現される様に男と女は理屈じゃないですね。

あまりにも痛快な笑いに感激してしまいました。どうあれ、感情のもつれはハッピーエンドが良いです。

 

改めてオープニングクレジットを見ると動物達が人々に感じました。まるで、スイッチを入れた瞬間であるかの様です。

日常、人々は理性を保って生きています。人それぞれに立場があり理想があります。そんな日常の瞬間に人々から野生を感じる事があります。それがスイッチの入った瞬間なのでしょう。スイッチが入った事で正直さや誠実が伝わる事もあるので、スイッチの誤作動には注意したいものです。でもね、スイッチって無意識に入れてしまったり、誰かに入れられてしまう事が多いから困ったものです。