シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解説。或は、落書き。

満員御礼の会場で熱を叫んだケモノ:シン・ゴジラ

お題「最近見た映画」

 

やっとこさ、9月に入ってシン・ゴジラを鑑賞してきました。上映から1ヶ月以上も経過しているのに会場は満席で驚きました。まだまだ人気なのですね。その日は男性割引の日だったので客層は男性ばかりと思っていたのですが、意外にも年配の方や女性の方が多い事にも驚きました。モーニングファーストショーの割引もあった為でしょうか。とにかく、満席の会場で映画を鑑賞する事が久々なので緊張してしまいました。

 

通常上映で鑑賞してきたのですが、とても良かったです。特に印象的だった事はシン・ゴジラの咆哮ですね。引き裂かれたような高音が長く伸び、沈み込むような低音。終始ノイズの様な不快感が纏わり付く感じ。悲しみと怒りなどネガティブな感情しか伝わってこない叫び。

アギャァァァァオヴォヴォン。

あの迫力は、大空間ならではだと思います。会場が満席で反響音が絶妙に拡散した為かもしれませんがとても印象的でした。大空間での良い音とは、反射音が多方面に広がり直接音とほぼ同時に鼓膜に伝わる事で音に厚味が生まれます。だから、コンサートホールの壁や天井の形状が複雑怪奇な装飾になっているのは、デザインと反響の効果を狙った為なのです。観客の多さによって反響が変化し、音の感じ方に変化が生まれる事があるのです。

切なさと恐怖を感じるシン・ゴジラの咆哮でした。

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※ここからは、ややネタバレします。

劇中は人々のセリフが矢継ぎ早に飛び交い、情報過多になりながらもなんとか流れについて行くのがやっとで、内容はほとんど理解出来ませんでした。

ザックリとした感想として、東京でゴジラを暴れさせたかったのだろうな。そして、人々の生きる姿を描きたかったのだろうな。っと思いました。加えて、伊福部マーチ最高。

一般的な映画の解釈方法として、テーマを見付ける事でより楽しみが膨らみます。本当の優しさとは?など、描かれる人々の背中に共感する事で気持ちが変化します。そして、映画の登場人物の気持ちを想像して心の在り方に気が付きます。

しかし、シン・ゴジラは巨大生物が首都で暴れ回り、その中で人々のえぐり出される底力を感じる映画なのだと思いました。テーマを感じる事なく、ただただ監督が描きたい状況に浸るだけで恐怖し喜び映画を楽しめてしまう。そんな事を感じる映画でした。

 

そう思いながらもシン・ゴジラの存在を考えた時、最凶の棺なのだろうと想うのです。

もし、シン・ゴジラの中に人の想いが込められているのなら、シン・ゴジラの存在を消滅する事ができないのならば、シン・ゴジラは宿る想いの結界なのだと思うのです。

何人にも侵されざる聖なる領域、心の光…。そんなの解らないよ…。となるかもしれないが、シン・ゴジラは近づく物体を破壊する。そして、存在し続ける。

もし、シン・ゴジラから生み出される存在があるとしたら、全てはシン・ゴジラの想いに委ねられているのだろうと思います。人々が生きようとした熱が伝わったのだろうか。

シン・ゴジラが好きなように行動し、人類が抵抗した。その想いのぶつかり合いに熱を感じました。