シッポノリンカク

映画好きで絵描き好きな曖昧模糊な記憶。又は、自由闊達な解釈。或は、落書きやネタバレ。

潮騒を聴きながら、:白い帽子の女(By the Sea)

気分は環境によって移ろい導かれてしまう。

意志の力で思い通りに進む事なんて無いんじゃないかな。

気分によって拭いきれない過去が浮かび上がる。

気分によって慰められる過去もある。

 

映画“白い帽子の女(By the Sea)”に登場する作家の男性は、妻を連れて海辺のホテルで長期の滞在をする。

二人は別々の場所で海を眺め、海辺に集まる人達を眺めている。

陽光で満たされた海辺の風景が流れる。人が纏う布、植物や波を撫でる潮風は穏やかに映る。常に潮騒が聞こえているような雰囲気に呑まれてしまう。

 

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気分に漂うものを捉え、言葉にしようとする彼が帰る部屋には妻が居る。

どこか距離感のある熟年の夫婦。でも、絆を感じる二人。

物静かな好奇心が二人の成り行きを見守りたくなってしまう。

見つめて欲しくて、追いかけて欲しい妻の気分。彼女を直向きに受け入れる夫。

誠実さが関係性を深め、その誠実さが関係性を甘やかしてしまう。

そして、誠実さを浴びて勇気を芽吹かせる。

 

嗚呼、なんだか日光浴が恋しくなる映画でした。